厄払いと厄祓いの違いについて、専門家の住職が解説

水野行清

「厄払い」と「厄祓い」は、どちらも「厄」を取り除くための儀式を指す言葉ですが、厳密には意味や用いられる場面に少し違いがあります。

それぞれの意味や違いについて詳しく解説します。

目次

厄払い(やくばらい)とは

「厄払い」は、主に日常生活で広く用いられる言葉であり、厄を避けるための行為や儀式を指します。

以下に「厄払い」の特徴を説明します。

厄払いの意味

厄払いとは、厄年や困難な状況に陥った時、神社やお寺で行われる儀式を通じて、災厄や不運を祓うことを意味します。

主に個人が厄年などに厄払いを受けることが多く、神職や僧侶に依頼して正式な儀式を行ってもらいます。

厄払いの使われ方

  • 厄払いは一般的に、厄年に行われるもので、日常的な会話でもよく使われます。「厄年だから厄払いに行こう」というように、厄を避けるための行動を指して使われます。
  • 厄払いは神道の儀式としても行われることが多く、神社において厄払いの祈祷を依頼するのが一般的です。

厄払いの実際の行い方

厄払いは神社やお寺で行うのが一般的で、神職や僧侶によって、祈祷や祝詞(のりと)を唱え、悪い運気を祓います。

多くの場合、厄年に当たる人やその家族が集まって儀式を受け、厄を避けるための祈願が行われます。

厄祓い(やくはらい)とは

一方、「厄祓い」という言葉は、より正式な儀式や宗教的な意味合いを持つ場合が多いです。

特に神道においては「祓い」の行為自体が重要な儀式として位置付けられており、厄祓いもその一部とされています。

厄祓いの意味

厄祓いは、厄年や災厄が訪れる前に、神社やお寺で厄を祓い、幸運や平安を祈願する行為です。

「祓い」という言葉は、神道において神聖な力を持って悪いものや不浄なものを取り除くことを意味し、「厄祓い」もその一環として扱われます。

特に儀式の中で祝詞やお札、祓い具(榊や幣など)が使われ、厄をしっかりと祓うことが強調されます。

厄祓いの使われ方

  • 「厄祓い」は、神社で行われる正式な儀式に関する表現として使われることが多く、厄を祓うための神道の儀式を指します。神社での厄祓いには、しっかりとした儀礼や祝詞が伴い、厄除けの祈願が行われます。
  • 日常的に厄を取り除く行為として使われることは少なく、より厳格な儀式に関連した場面で使用されるのが特徴です。

厄祓いの実際の行い方

厄祓いは、神道の儀式として、神職によって行われます。

神社では、祓いの際に「祝詞」を唱え、榊の枝や幣帛(へいはく)などの神具を用いて厄を祓う動作が行われます。

さらに、護摩焚き(ごまたき)や神事の一環として、神に祈りを捧げる行為も厄祓いに含まれることがあります。

厄払いと厄祓いの違い

「厄払い」と「厄祓い」は、どちらも災厄や不運を取り除くための行為ですが、微妙な違いがあります。

日常的な使われ方

  • 厄払いは、日常生活の中で広く使われる言葉です。厄年に限らず、運が悪いと感じる時や、トラブルが続く時に使われます。また、個人が神社やお寺に行き、厄を祓うための行為全般を指す言葉です。
  • 厄祓いは、より正式な儀式や厳格な意味合いを持つ場合に使われます。特に神道の祓いの儀式に関連し、宗教的な意味を持つことが多いです。

儀式としての違い

  • 厄払いは、個人が日常的に行う厄除けの行為としても使われることがあり、例えば自宅で行う簡易的な厄払いなどもこの範疇に入ります。一方、厄祓いは神社での正式な儀式に限定され、神職によって厄を祓うための厳格な手続きが必要です。
  • 厄祓いでは、祝詞や祓い具を使った神道の儀式が伴い、祓いの力を借りて厄を取り除くことが重要視されます。

どちらを選ぶべきか?

厄年や不運を感じた際、どちらを選ぶべきか迷うことがあるかもしれません。

一般的には、日常的な厄除けを希望する場合は「厄払い」、神社で正式に厄を祓いたい場合や、厄年に訪れる災厄をしっかり防ぎたい場合は「厄祓い」を選ぶのが良いでしょう。

まとめ

「厄払い」と「厄祓い」はどちらも厄を取り除くための行為ですが、厄払いは日常的な厄除けとして広く使われ、厄祓いは神道の儀式において厳格に行われるものです。

厄年や困難な時期に、適切な方法で厄を払い、運気を整えることが大切です。

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