厄払いの英語表記について、専門家の住職が解説

水野行清

「厄払い」の英語表記については、日本独自の宗教的・文化的な概念をそのまま英語に翻訳するのは難しいため、状況に応じていくつかの表現を使い分けることが一般的です。以下に詳しく解説します。

目次

「厄払い」の直訳としての英語表現

厄払いは、文字通り「厄(不運や災厄)」を「払う(取り除く)」という意味を持つため、以下のような英語表現がよく使われます。

  • Exorcism of evil spirits
    「悪霊の払い」という意味で使われることがあり、厄払いが悪い運や災いを取り除く儀式であるという点からこの表現が当てはまります。ただし、「Exorcism」は特に悪霊や邪悪な存在を追い払う意味合いが強いため、厄払いのより広い意味合いを含む場合には完全な適訳ではないかもしれません。
  • Purification ritual
    「浄化の儀式」という意味で、厄払いの儀式が心身や運気の浄化を目的としている点を強調した表現です。神社やお寺で行われる厄払いは、祈祷や祝詞を通じて心身を清める儀式であるため、「Purification(浄化)」は適切な表現といえます。
  • Ritual for averting misfortune
    「不運を避けるための儀式」という直訳的な表現です。厄払いの目的である不運や災いを避けるという意味合いがわかりやすく伝わりますが、やや説明的な表現になります。

厄年との関連を強調した英語表現

厄払いは、厄年と深い関わりがあるため、厄年を強調した表現を使うこともあります。

  • Ritual for warding off misfortune in one’s unlucky year
    「不運な年に不幸を退けるための儀式」という意味で、厄年の厄払いを指す表現です。この場合、「unlucky year」が厄年にあたるため、より厄年という概念を理解してもらいやすくなります。
  • Misfortune-cleansing ceremony during Yakudoshi (unlucky year)
    こちらも、「厄年」の概念を「Yakudoshi」として残しながら、不幸を浄化するための儀式と説明しています。厄年という日本の文化的概念が含まれるため、文化的な背景を強調したい場合に適しています。

文脈に応じた英語表現の選択

「厄払い」の英語表現は、どのような文脈で使うかによって適切な表現が異なります。

例えば、観光客向けに日本の伝統文化を紹介する場合や、厄払いの儀式を説明する際に、それぞれ異なる表現を選ぶことが重要です。

観光案内や神社紹介の場合

神社で行われる厄払いの儀式を観光客や外国人に説明する際には、「Purification ritual」や「Misfortune-averting ceremony」のように、一般的な浄化や不運を取り除く儀式という表現が適しています。

例文:

  • “At the shrine, you can participate in a purification ritual to cleanse yourself of misfortune during your unlucky year.”
    (神社では、不運を払うための浄化の儀式に参加することができます。)

厄年に焦点を当てる場合

厄年という概念を詳しく説明したい場合は、「Yakudoshi」をそのまま使い、厄払いの目的を説明するのが効果的です。

例文:

  • “Yakudoshi, or unlucky years, are a part of Japanese tradition. During these years, it is customary to undergo a ritual to ward off misfortune.”
    (厄年は日本の伝統の一部であり、この期間には不運を避けるための儀式を受けるのが一般的です。)

詳細な宗教的・文化的説明の場合

厄払いが持つ宗教的な側面や、具体的な儀式の内容を伝えたい場合は、「Exorcism」や「Cleansing ritual」といった言葉を使用し、さらに説明を加えることが重要です。

例文:

  • “The ritual, often called a purification or exorcism, is performed at a shrine or temple to remove bad luck and restore good fortune.”
    (この儀式は、浄化や悪霊払いと呼ばれ、神社やお寺で悪い運気を取り除き、良い運気を回復させるために行われます。)

「厄払い」と「お祓い」の違いに基づく英語表現

日本語では「厄払い」と「お祓い」は似たような意味で使われますが、微妙に異なる意味を持つことがあります。

厄払いは厄年に行うものであり、特定の年齢に対する儀式であるのに対し、お祓いはより一般的な意味での悪運や悪霊を払う儀式です。

そのため、文脈によって適切な英語表現を使い分ける必要があります。

  • 厄払い(Yakubarai): Ritual specifically for cleansing misfortune in unlucky years.
  • お祓い(Oharai): General purification ceremony to cleanse bad luck or evil spirits.

まとめ

厄払いの英語表記には、状況や対象者に応じていくつかの適切な表現があります。

最も一般的には「Purification ritual」や「Ritual for averting misfortune」などが使われ、厄年の概念を伝えたい場合には「Yakudoshi」という言葉を取り入れることが効果的です。

厄払いの目的や行われる場所に応じて、適切な表現を選ぶことが大切です。

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