お寺でお祓いをする意味は?専門家の住職が解説

水野行清

お寺で行われるお祓いには、仏教的な意味や目的が込められており、その背景には仏教の教えや儀式が深く関わっています。

お祓い自体は、一般的には神社で行われる神道の儀式と認識されがちですが、お寺でも仏教に基づく形での祓いが存在します。

お寺でのお祓いの意味や目的について、詳しく説明します。

目次

煩悩や悪い業の浄化

仏教では、人間は煩悩(ぼんのう)を抱えて生きていると考えられています。

煩悩とは、欲望や怒り、無知といった心の汚れのことで、これが原因で人間は苦しみから逃れられないとされています。

お寺で行われるお祓いは、このような煩悩や過去の悪い業(カルマ)を清め、心身を浄化することを目的としています。

お寺でのお祓いは、ただ単に外的な災厄を祓うだけでなく、内面的な精神の浄化や、魂を軽くする意味合いが強いです。

これにより、心が軽くなり、より平静な心で日々を過ごせるようになることが期待されます。

仏の加護を受ける

お寺でのお祓いには、仏や菩薩(ぼさつ)からの加護を得ることを目的としています。

お寺の住職や僧侶が祈祷を行い、参拝者に仏の力が届くように祈ります。

この祈祷を通じて、災厄や不運を取り除き、仏の加護によって健康や安全、幸福を願うことができるとされています。

例えば、特定の仏や菩薩に対して行う祈願では、それぞれの仏や菩薩の持つ特徴に応じた加護が期待されます。

観音菩薩であれば慈悲の心による救済、地蔵菩薩であれば困難な状況からの救いなどが象徴されます。

お祓いを受けることで、その仏や菩薩の力が自分を守ってくれると信じられています。

悪縁や厄除け

お寺でのお祓いは、悪縁を断ち切り、災厄や不運を祓う目的でも行われます。

悪縁とは、悪い人間関係や、不幸な出来事に巻き込まれる因縁のことを指します。

仏教では、すべての出来事や関係は「縁」によって繋がっていると考えられており、この悪縁を断ち切るための祈祷が行われます。

また、仏教における厄除けは、特定の厄年や災厄の時期に行われることが多く、その際には護摩祈祷(ごまきとう)や特別な儀式を通じて、厄災を防ぐことを祈願します。

このような厄除けのお祓いは、日常生活での不運や事故、病気などから身を守るための手段として多くの人に信仰されています。

先祖供養とカルマの清算

仏教では、先祖供養も重要な儀式の一つです。お寺で行われるお祓いには、亡くなった先祖の供養や、未だ成仏していない霊魂を鎮める意味が込められている場合があります。

先祖の霊が不安定であると、その影響が子孫に現れると考えられるため、霊的な浄化や鎮魂を目的としたお祓いが行われることがあります。

また、自分自身の過去の行為(業)によって今生きている自分に悪影響が及んでいると感じる場合、その業を清め、カルマの清算を目的としてお祓いを受けることもあります。

これにより、来世に持ち越す悪いカルマを浄化し、魂の救済を目指すのです。

心の平穏と精神的な救済

お寺でのお祓いは、心の平穏を取り戻すためにも行われます。

現代社会では、多くの人が仕事や家庭、社会的なプレッシャーに悩まされ、心の平穏を保つのが難しい状況に置かれています。

そのため、お寺に参拝し、お祓いを受けることで、心の浄化や精神的な救済を得ようとする人が増えています。

お寺では、僧侶が祈祷を行い、仏教の教えに基づいた言葉を通じて、参拝者に精神的な安心感や平和な心を取り戻す手助けをします。

このようなお祓いを受けることで、日常のストレスや悩みが軽減され、心身ともにリラックスした状態になることが期待されます。

護摩祈祷とお札の授与

お寺でのお祓いには、護摩祈祷が行われることがあります。

護摩祈祷とは、仏教における火を使った儀式で、炎によって煩悩や災厄を焼き尽くし、清浄な心を取り戻すとされています。

この儀式は、密教寺院で特に盛んに行われており、参加者は護摩木(ごまき)に自分の願いを書き、その願いが叶うように祈ります。

護摩祈祷が終わると、お札(ふだ)やお守りが授与されることがあります。

お札は、祈祷によって仏の加護が宿っているとされ、自宅や車に飾ることで、災厄や不幸から守ってもらえると信じられています。

まとめ

お寺でのお祓いは、仏教の教えに基づいて心身の浄化、悪縁の断ち切り、厄除け、先祖供養などを目的に行われます。

外的な災厄を祓うだけでなく、内面的な浄化や精神的な平穏を取り戻すための重要な儀式です。

仏の加護を受けることで、心が安定し、現世の困難を乗り越える力を得られるとされています。

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